かつて浜比嘉島の比嘉集落西南に位置する小高い丘にあったグスク☆|沖縄放浪日記

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2017年6月25日日曜日

かつて浜比嘉島の比嘉集落西南に位置する小高い丘にあったグスク☆

ハイサぁ~イ⭐

今月(6月)の7日、前々回にご紹介したうるま市与那城上原(宮城島)の『ヤンガー』を後にし、最後に浜比嘉島の比嘉集落内にあるグスク跡へ向かいました。

こちらは現在『比嘉公園』として整備されているんですが、公園敷地内には、拝所やグスクを偲ばせる僅かばかりの遺構があります。

沖縄県うるま市勝連比嘉(浜比嘉島)にある

『比嘉グスク』

比嘉グスク(比嘉公園)の写真
丘の頂上の平場にある貝が祀られた『比嘉グスク』の拝所
こちらはまず、うるま市の県道10号線37号線がぶつかる『海中道路西口』の交差点から、県道10号線を『海中道路』に入り、『平安座島』へ渡ります。

『平安座島』に渡り、2つめの信号がある県道10号線238号線がぶつかる交差点に差し掛かるんですが、そこを右折して県道238号線に入り、『浜比嘉大橋』を渡ります。

橋を渡って突き当りを左折し、約880mほど進んだところ右側にある脇道へ右折、約50mほど進むと左側にあります。
比嘉グスクの写真
比嘉集落の海岸線を走る道路から見た『比嘉グスク』遠景
公園入口にある駐車場にクルマを停め、すぐさま見学開始。

公園入口の右側には、大きな祠の拝所があります。
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
『比嘉公園』の入口。
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
地頭代火の神
うるま市役所の公式HPにある資料によると、こちらは『地頭代火の神』という拝所となっているようです。

『学問の神』が祀られているらしく、旧暦4月14日のアブシバレーの時に拝み、現在では受験生が拝むこともあるんだそうです。

戦後間もない頃までは、ムラヒヌカンも一緒に祀られていたみたいですよ。
(うるま市役所『地区住民アンケート調査の結果1.浜比嘉島景観資源マップ』より引用)
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
祠の内部には4基の香炉が置かれていました。
公園駐車場を挟んで、『地頭代火の神』の向かい側には『アシビナー』があります。
比嘉公園(比嘉グスク)の写真
『比嘉公園』入口前の駐車場と『アシビナー』
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
アシビナー
こちらも、うるま市役所に掲載されている資料によると、どうやら比嘉集落の旧公民館となっているみたいなんですが、現在、こちらでは『ウスデーク』や『エイサー』などが催されているんだそうです。

そして、公園入口を入っていくと、敷地内は2段に分かれていて、上の段には休憩所のみが設けられ、下の段には遊具が設置されており、定期的に清掃が行われているようで、とても綺麗な状態が保たれていました。
比嘉公園の写真
比嘉公園
比嘉公園の写真
比嘉公園
園内を一通り見た後、一旦公園を出て、『比嘉グスク』の主郭へと向かいました。

主郭へは、表の道を浜集落向けに少し歩いていくと、丘の上へと伸びる階段があるので、その階段を上がった先にあります。
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
『比嘉公園』前の道路から『比嘉グスク』の主郭へと続く階段の入口を見たところ。(左奥)
道路から階段を上っていくと、両側は森に覆われており、ほとんど何も見えません。。。

沖縄県立博物館総合調査報告書Ⅶ『浜比嘉島小史』という資料によると、グスク内への出入口があり、そこを登っていくと両側に段々状になった削平地があると記されているんですが、草木が生い茂っていて、確認することが出来ませんでした。。。(泣)
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
主郭へと続く階段
以前は、石積みの間を塗って簡易的に造られた小さな石段が頂上まで続いていたようですが、現在は、ご覧の通り綺麗なコンクリート製の階段が設置されており、比較的簡単に頂上へ向かうことが出来ます。
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
L字に曲がった地点から頂上を見たところ
まぁ、「簡単に」と行ってしまいましたが、この階段、結構長いんですよ。。。

んで、ようやっと頂上が見えたと思いきや、単に階段が直角に曲がっていただけで、その地点からさらに階段が伸びています。。。(泣)
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
L字に曲がった地点から頂上へ向かう途中の階段下に崩れた石積みの遺構が見えました。
L字に曲がった地点から、階段を頂上に向かって登っていくと、その途中の階段下に、崩れた石積みの遺構が見えました。

もしかすると、この石積みは『比嘉グスク』のものであったのかもしれませんね。

先程の沖縄県立博物館総合調査報告書Ⅶ『浜比嘉島小史』によると、現在の階段がL字に曲がった地点から約10mほど進むと"岩山"があるんだそうで、そこから≪虎口が複雑になり、岩と岩の間を攀じ登るようにして頂上に辿り着く≫とありました。

また、かつて出入口や階段の両側にあった削平地は、いずれもグスクの"郭"だったそうで、段々状に構成された"郭"や、わざと狭めて複雑化してある虎口などは、敵の主郭への進入を防ぐための工夫であったことが読み取れるんだそうです。
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
『比嘉グスク』の頂上
んで、階段をさらに上がっていくと、ようやく頂上に到着です。

頂上も、草刈りなどの清掃が定期的に行われているようで、綺麗な状態が保たれていましたね。

頂上には、休憩場所である赤瓦屋根の東屋とグスクの拝所があります。
『比嘉グスク』の拝所
うるま市役所や沖縄県立博物館の資料などによると、『比嘉グスク』は別名『アガリ(東)グスク』とも呼ばれているんだそうで、築城年代や築城者は分かっていないんだそうです。

グスク域内やその周辺からは、14世紀~15世紀ごろの中国で凄惨された陶磁器の破片が出土していることから、グスク時代に築城されたのではないかと推察されているんだそうです。
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
『比嘉グスク』の主郭にある貝が祀られた拝所
こちらは、『ウマチー』の際に拝みが行われるんだそうですよ。
『ウマチー』とは、沖縄の方言で"御祭り"のこと指しており、神酒や供物を供えて、豊穣祈願・感謝、そして集落の繁栄祈願等を行う行事のことです。旧暦の2月、3月、5月、6月の15日前後に行われます。
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
主郭内にわずかに残る遺構
また、この主郭とされる場所は、標高約44mの高さにあって見晴らしが良く、比嘉集落をはじめ、集落前に広がる海や平安座島、宮城島などを一望することが出来ます。
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
『比嘉グスク』の主郭から見た景色
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
宮城島
比嘉グスク(比嘉公園)
『アマミチューの墓』がある『アマンジ島』も見えましたよ。
すぐ向かい側にある『平安座島』は、木々が邪魔して見えづらかったんですが、上がってきた階段側からちょこっと見えました(笑)
『比嘉グスク』の主郭入口から見た『平安座島』
・・・と、ここまで見学した後、階段を下りて一旦道路へと戻り、今度は浜集落向けに進みました。

『比嘉グスク』の出入口の階段から約70mほど進んだところ左側には、『ウィヌカー(上ヌカー)』と呼ばれる井泉があります。
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
『比嘉グスク』主郭から降りて来たところ。右側の道路を約70mほど進むと左側に『上ヌカー』があります。
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
『ウィヌカー』の出入口
『ウィヌカー(上ヌカー)』は、旧正月の若水汲みの際、ヌンドゥンチとテーラだけはこのウィヌカーで若水を汲むんだそうです。

また、集落の西側の人達が飲料用として使用していたため『イリガー』とも呼ばれるんだそうですよ。
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
ウィヌカー(上ヌカー)
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
少しばかりの水が残っていました。
この『ウィヌカー(上ヌカー)』を後にし、最後に集落内の『比嘉公園』近くにある拝所へと向かいました。
比嘉グスク(比嘉公園)の写真
『比嘉グスク』の北側の集落内にある『火の神(ニーヤ)』
こちらは、『比嘉グスク(比嘉公園)』の北側の集落内にあり、『ムラヒヌカン』と呼ばれているんだそうです。

うるま市役所の公式HP内にある史料『地区住民アンケート調査の結果1.浜比嘉島景観資源マップ』によると、かつては海の方向を向いていて、拝みに来た人は、『比嘉グスク』を拝むような形となっていたんだそうです。

さらに昔は、旧公民館近くにあったんだそうで、十二か所めぐりの拝所のひとつとなっているんだそうですよ。

・・・と、こちらの『火の神(ニーヤ)』まで見学させて頂いた後は、そのままクルマへと戻り、『比嘉グスク』を後に致しました。

宮城島同様に、浜比嘉島にも拝所などの史跡がまだまだ点在しているので、こちらもまた機会を設けて再訪したいと思います。

それでは、今回はこの辺で。。。でわでわ☆★☆

最後まで読んでくださって、ありがとうございますm(_ _)m
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『比嘉グスク(比嘉公園)

☆場所:〒904-2316
      沖縄県うるま市勝連比嘉 (浜比嘉島)

☆見 学:無料

☆駐車場:あり(4,5台ほど)