浜比嘉島の浜集落内に点在するヌン殿内をはじめとする史跡☆|沖縄放浪日記

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2017年11月5日日曜日

浜比嘉島の浜集落内に点在するヌン殿内をはじめとする史跡☆

ハイサぁ~イ⭐

前回ご紹介した浜比嘉島の浜集落南側にある『西の御嶽(シリギチャー御嶽)』を見学した後、同集落内に点在する史跡を見学しに向かいました。

沖縄県うるま市勝連浜(浜比嘉島)に点在する

『ヌン殿内をはじめとする拝所群』

ヌン殿内の写真
浜公民館裏手にある木々に囲まれた『ヌン殿内』。
『西の御嶽』を後にし、次に向かったのは、集落のほぼ中央に位置する『浜公民館』の敷地内にある『地頭代火之神(浜)』です。
地頭代火の神(浜)の写真
浜公民館の敷地内にある『地頭代火の神(浜)』。
公民館のすぐ隣にあるので、手入れが行き届いており、周囲一帯はとても綺麗な状態が保たれていましたね。

ちなみに、この祠は昭和43年12月に改築されたものとのことです。

『地頭代火の神(浜)』に続く参道の手前左側に説明板が設置されていたので、そちらを読んでみると・・・
地頭代火の神(浜)の写真
『地頭代火の神(浜)』の説明板。
勝連町指定文化財4号 地頭代火の神 民俗資料(無形民俗文化財)
≪字浜の公民館敷地内に、コンクリート製の小祠(しょうし)があり、その中に火の神の依り代として三個の霊石を祀った拝所である。

琉球王府時代、浜には地頭代のおえか地(役地(えきち))があり、地頭代となるには先ず浜地頭を務めなければならなかったという。
地頭代火の神(浜)の写真
祠手前の参道の両側には赤色の灯籠が設置されていました。
「地頭代火の神」が奉安されたのはこの為とされ、貴重な歴史・民俗文化財である。

尚現在の小祠には、『琉球国由来記』に記される「殿(浜里主所)」と合祀されている。今でも、立身出世の神として、進学、旅立ちに際し祈願する慣わしになっている。

文化財保護条例により、勝連町文化財に指定します。
平成7年2月20日 勝連町教育委員会≫
・・・とありました。
地頭代火の神(浜)の写真
祠内部には数基の香炉が納められているのが見えました。
参道から祠の内部を伺うと、「奉納」と記された大きな香炉を中心に左右両側にいくつかの香炉が納められていました。

うるま市の資料『うるま市文化財シリーズ 浜比嘉島』によると、現在も村の祭祀の際にも祈願が行われているんだそうですよ。

また、『地区景観資源めぐりマップ』によると、『地頭代火の神(浜)』のある『浜公民館』前の道は、『綱引き』の場として使用されているとのことです。
綱引きの場の写真
『浜公民館』前の『綱引きの場』として使用される道。
綱引きの場の写真
東側から"公民館"側を見たところ。
『地頭代火の神(浜)』や『まつりの場』を見学した後、次に向かったのは公民館裏手にある『ヌン殿内』です。
ヌン殿内の写真
『浜公民館』裏手にある『ヌン殿内』。
こちらも左隣に隣接する民家の敷地内になっているようで、殿内やその周辺はとても綺麗な状態が保たれていました。
ヌン殿内の写真
ヌン殿内。
『地区景観資源めぐりマップ』によると、≪琉球王府から大内家のノロ(祝女)に献上された扇がカンヤーに祀られていた。現在の扇は新しいもの。旧正月の年頭拝みなどで祈願される。≫とありました。

こちらも参道から内部の様子を伺うと、説明にあった"扇"は見えませんでしたが、祭壇の上にうっすらと香炉などが見えました。

『ヌン殿内』を後にし、今度は集落の西側へと向かいます。
サーターヤー跡の写真
『サーターヤー跡』。
住宅街の一画にコンクリートブロックの塀で囲われた空き地があるのですが、資料によると、こちらは『サーターヤー跡地』なんだそうです。
サーターヤー跡の写真
南側から見た『サーターヤー跡』。
空き地の周囲をちょこっと散策してみたんですが、西側に古い石垣があるのみで、"サーターヤー"であったような痕跡などは見当たりませんでした。。。

この『サーターヤー跡』を見学した後、次は先程の『ヌン殿内』前を通過し、東側へと向かいます。
アガリエーガー(親川家)の写真
アガリエーガー(親川家)。
『ヌン殿内』の前から、東向けに役40mほど歩いていくと、右側にフクギ並木があるんですが、その反対の左側には"あいかた積み"の綺麗な石垣に囲われた赤瓦屋根の家屋があります。

こちらの前に到着した際、前述したフクギの木に囲われた空き地にクルマが1台入ってきたので、クルマに乗っていた地元の方にお話を伺うと、こちらは『アガリエーガー(親川家)』と称される拝所なんだそうで、住人はおらず、年中行事の際に回る"拝所"の一つなんだそうです。
アガリエーガーの写真
『アガリエーガー』前のフクギ並木と"あいかた積み"の石垣。
アガリエーガー(親川家)の写真
"あいかた積み(相方積み)"の石垣とシーサー。
敷地内には母屋と"離れ"があり、その"離れ"の方にも香炉などが数基納められていました。
アガリエーガー(吉川家)の写真
『アガリエーガー』の"離れ"。
『アガリエーガー』の敷地内には入らず、道路上から見学した後、さらに集落の東側へと移動しました。
アガリガーの写真
アガリガー。
東側の道路から以前ご消化した『東の御嶽(シヌグ堂)』向けに伸びる未舗装の小道があるんですが、その先へ進んでいくと、右側の森になっている丘の麓に『アガリガー』がありました。
アガリガーの写真
四角く囲われた『アガリガー』。
『地区景観資源めぐりマップ』によると、こちらもまた旧正月の年頭拝みなどで祈願されるとのことです。

また、以前、集落の南南西に位置する『シーローガー(水道ガー)』を訪れた際にお会いした集落の方のお話によると、『シーローガー』が"イーヌカー"(西のカー)と呼ばれるのに対して、こちらを"アガリガー"(東ガー)と呼んでいるのだそうですよ。
※沖縄の方言で、『東』のことを"アガリ"、『西』のことを"イリ"と呼びます。
アガリガーの写真
訪れた時は、水は流れていませんでした。
あと、この日は『アガリガー』は、水が流れていませんでしたが、少し湿った感じだったので、雨が降ると水が湧いてくるのでしょうね。

・・・と、こちらの『アガリガー』まで見学した後は、一旦クルマへと戻り、集落の西側へと移動しました。
浜比嘉ビーチの写真
浜集落の西海岸に位置する『浜比嘉ビーチ』。
集落の西海岸には『浜比嘉ビーチ』があるのですが、その一画に『竜宮神(サングヮチャー石)』と称される拝所があります。
竜宮神(サングヮチャー石)の写真
『竜宮神(サングヮチャー石)』。
『地区景観資源めぐりマップ』によると、こちらは旧暦の3月3日のサングヮチャーに豊漁と航海安全などを祈願する拝所とのことです。

また、護岸を埋め立て整備される前は、海岸に平たい大きな石があって、そこで海獣のジュゴンや魚類、豚などを解体する場所であったんだそうですよ。

『東の御嶽(シヌグ堂)』では"海が時化る"ことを祈願し、こちらでは"航海安全"が祈願されるなんて、ちょっと不可思議ですねw
世ちゃ川の写真
『浜グスク』北東に位置する比嘉集落に繋がる道路。
『竜宮神(サングヮチャー石)』を見学した後、最後に『浜グスク』の南側にある井泉へ向かいました。

浜集落から比嘉集落へ繋がる道路が、『浜グスク』をグルッと北側から回り込むような感じであるのですが、その途中の比嘉集落に向かって右側に畑があるのですが、その畑の後方の森に『世ちゃ川(ユチャガー)』と称される井泉があります。
世ちゃ川の写真
道路沿いにある畑の後方の森に『世ちゃ川』があります。
この『世ちゃ川』には、天女が降りてきて羽衣を脱ぎ、水浴びをしたという伝承が残されているのだそうです。

また、『地区景観資源めぐりマップ』には、≪かつて稲作にはシーローガーの水を使用いたが、その水が足りなくなった場合はユチャガーから水を引いていた≫と記載されていました。
※参考⇒J-TRIP[琉球開闢の神が降臨した島 パワースポット浜比嘉島]
世ちゃ川の写真
世ちゃ川。
『世ちゃ川』は、ご覧の通り柵が設置されており、正面中央には1基の香炉と祭壇の代わりのコンクリートブロックが置かれていました。
世ちゃ川の写真
『世ちゃ川』の前には1基の香炉とコンクリートブロックが2個置かれていました。
んで、その香炉にも『世ちゃ川』と名称が刻まれていたのですが、その下には『昭和56年5月吉日』とも刻まれていました。
世ちゃ川の写真
現在も豊富な水を湛えていました。
また、柵の中を覗いてみると、現在も豊富な水を湛えているらしく、中央付近にコンクリート製の円柱が設置されており、たぶんこの中には水中ポンプが設置されていると思われます。

・・・と、ここまで見学した後は、再び浜集落へと戻り、前々回にご紹介した『レストラン むいにー亭』さんで食事をとって浜比嘉島を後にしました。

今回、浜集落内に点在する史跡を紹介してきましたが、ご紹介してきた史跡の他にも、集落内には"井戸跡"らしきものもいくつか点在していました。
浜集落内にある井戸跡の写真
『アガリエーガー』前のフクギ並木の近くにあった井戸跡。
浜集落内にある井戸跡の写真
集落内の駐車場として使用されている場所にあった井戸。
浜集落内にある井戸跡の写真
畑の一画にあった井戸。
これだけたくさんの"水源"である井戸が残されているということは、古くから豊かな土地だったのでしょうね。

また、集落内には昔ながらの趣のある風景が残されており、ゆっくり散策していると、とてもほっこりします。

ご紹介してきた拝所や井泉などの史跡を見学しながら、ゆっくりと流れる島時間を感じてみてはいかがでしょうか?

今回は、ちょっと長くなってしまいましたが、そろそろこの辺で。。。でわでわ☆★☆

最後まで読んで下さいまして、誠にありがとうございますm(_ _)m
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『アガリエーガー』・『アガリガー』・『地頭火之神(浜)』・『ヌン殿内』・『竜宮神(サングヮチャー石)』・『世ちゃ川』

☆場所:〒904-2315
      沖縄県うるま市勝連浜(浜比嘉島)

☆見 学:無料

☆駐車場:無し

※訪れる際は、くれぐれもマナーを守って、他の来訪者や地元の方々に迷惑をかけないよう、十分気を付けてくださいね。